マンガ暴食日記

好き勝手に、新旧のマンガを紹介しています

二月の勝者 ―絶対合格の教室―

 今日は、高瀬志帆による、中学受験を舞台にしたマンガ、「二月の勝者 ―絶対合格の教室―」を紹介。2017年12月に「ビッグコミックスピリッツ」で連載が始まり、19日には最新の3巻が発売になりました。


 主人公は、中学受験対策塾「桜花ゼミナール」に講師として就職した、佐倉麻衣。吉祥寺校に着任したのですが、ここは昨年度の成績が悪く、校長が左遷されていました。そして新しい校長が、圧倒的な合格者数を誇るライバル塾「フェニックス」のエース講師だった、黒木蔵人。彼ら二人を中心に、今の中学受験のリアルな姿が描かれていきます。
 中学受験って、私が子供の時は、裕福な家庭がやるようなイメージだったのですが、時代と共に環境が変わり、決して特別なものではなくなってきました。そんな中学受験の状況や塾の仕組みなどを、読者の代弁者でもある、主人公の新米講師と共に学べるマンガです。小学生のお子さんがいるような方は、きちんと中学受験について考える機会があると思いますが、そうでない人にとって、手軽に社会勉強ができます。中学受験に興味の無い人程、読むメリットがあるでしょう。


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 マンガとしては、新校長の 黒木蔵人 が見所。試験の簡単な心得から、退塾を考えている家族の説得まで、様々な所で手腕を発揮していきます。生徒の事を、お金を入れるお客さんと呼ぶなど、超合理的な発言を繰り返しつつも、きちんと一人一人の事を見ている姿も魅力です。そして、まだ明かされない秘密があり、今後の物語に期待を持たせてくれます。
 最新の3巻では、夏休みに入る所まで時間が進みます。受験本番までは時間があり、あまり山場はありませんが、今まであまり語られなかった先生にスポットが当たったり、今後の波乱の元になるようなシーンが、幾つか出てきました。派手なマンガではないのですが、今後が気になるストーリーが続いています。
 社会勉強ができ、それでいて楽しめるマンガとして、お勧めです。