マンガ暴食日記

好き勝手に、新旧のマンガを紹介しています

ゴブリンスレイヤー

 今日は、10月アニメ化作品の中から、「ゴブリンスレイヤー」を紹介。元々は、蝸牛くも によるライトノベルで、ここで紹介するのは、黒瀬浩介 によってコミカライズされたものです。2016年の5月より、月刊ビッグガンガン で連載が始まりました。実はこれは、小説1巻発売のわずか3ヶ月後。当初からメディア展開に力の入っていた作品です。現在、5巻まで刊行されています。

 「なろう系」と呼ばれる、投稿サイト発の作品ではないですが、ゲームのような設定の多い、剣と魔法の世界が舞台。最下級(弱い)のモンスターであるゴブリンのみを執拗に退治する戦士と、その仲間たちの活躍を描くファンタジーです。
 本作の特徴は、まず主人公があまり強く無い事。今の流行りのファンタジーでは、やたら主人公が強かったり、特殊能力(スキル)で戦ったりしますが、「ゴブリンスレイヤー」では、そんな便利なものは魔法だけです。主人公は、拾った剣、罠、炎、そして仲間の魔法など、あらゆるものを駆使して戦います。昔ながらのファンタジーと言っても良いでしょう。
 そしてもう一つの特徴が、モンスターの恐ろしさがじっくりと描かれている事。ゴブリンと言うと、雑魚モンスターの代表格です。ゴブリンに苦しめられる村を、冒険者が助けると言うのは、RPG の序盤の定番ストーリーでした。しかし、定番すぎて、モンスターの恐ろしさが感じられない事が多いです。本作は、そこに目を向け、最下級と言えどもモンスターに襲われる恐ろしさが、きちんと描かれています。ほのぼのとしたシーンもありますが、人が無残に殺されたり、犯されたりします。その手の描写が苦手な方は、避けた方が良いでしょう。


 ダークファンタジーとして宣伝されていますが、1巻を除けば、惨たらしいシーンは、それ程多くはありません。シリアスで、リアリティを感じさせるシーンの多い、正統派のファンタジーに近いと私は思っています。D&D とかの、テーブルトークRPGを強く意識しているようで、知っている人ならニヤリとするシーンも多いです。
 登場人物に名前が無かったり、主人公に好意を持つ女性が多かったり、最近流行りの書き方と、昔ながらのファンタジーの雰囲気の、両方を持った作品です。


 売り上げも良いようで、最初に書いた通り、出版社もメディア展開に力を入れています。今回のアニメ化もそうですが、マンガ版も外伝など3種類が販売されています。まずは、ここで紹介している「ゴブリンスレイヤー」を読んでみて、気に入ったら他のものも見てみると良いでしょう。
 11月2日までの、期間限定 無料お試し版があるので、まずはこちらがお勧めです。



 これからアニメの放送が始まり、話題になると思うので、気になった方、こちらのマンガ版の方も見てみて下さい。