マンガ暴食日記

好き勝手に、新旧のマンガを紹介しています

怪盗ルパン伝 アバンチュリエ

 最初の紹介は、今一番売れて欲しいマンガ、「怪盗ルパン伝 アバンチュリエ」。誰もが名前を知っている、怪盗「アルセーヌ・ルパン」の原作小説の、コミカライズです。作者は、機動戦士ガンダム関連のマンガなどを書いている、森田崇。2011年に、「イブニング」で連載が始まりました。現在まで単行本10冊が刊行されています(著者再編集版で換算)。

 1900年前後のフランスを中心に、大胆不敵な犯行で話題を集める怪盗、「アルセーヌ・ルパン」の活躍を描く物語です。様々な手段で、フランス警察を翻弄しながら犯行を続ける中、イギリスから名探偵も参戦し、追いつ追われつの活劇が繰り広げられます。
 アルセーヌ・ルパンは、1905年、モーリス・ルブランによって生み出されました。この「怪盗ルパン伝 アバンチュリエ」は、多少のアレンジがありつつも、できる限り原作に忠実に作られています。また、日本人が疎い当時のフランス・ヨーロッパについての説明などが加えられ、非常に読みやすくなっています。ルパンの名前しか知らない人、子供の頃に読んだだけで話を忘れてしまった人などが、手軽にアルセーヌ・ルパンのストーリーを楽しむのに、最適の作品だと思います。
 原作は100年以上前に書かれたもので、古臭さがまったく無い訳ではないですが、100年愛された物語は、21世紀に読んでも十分面白いです。


 ただし、このコミック版、残念ながら色々苦労しています。最初の「イブニング」の連載は2年程度で終了。その後「月刊ヒーローズ」に移籍して再開したのですが、こちらも3年程度で連載終了してしまいました。
 これで終わりかとも思えたのですが、今年になって「ルパン帝国再誕計画」が立ち上がり、Kindle ダイレクト・パブリッシング で既刊本を販売し、続編の出版を狙う事が発表されました。


Togetter:「ルパン帝国再誕計画、始動!」についてのまとめ
https://togetter.com/li/1226096


「怪盗ルパン伝アバンチュリエ」kindle版PV


 アルセーヌ・ルパンの原作は、20冊以上あります。そのうち「アバンチュリエ」で書かれたのは、まだわずか4冊。是非ともこの先も続けて欲しいので、こうして応援しています。本場フランスでも翻訳版が発売されていて、評価も高いので、続刊の発行を祈っています。
 今から読むとしたら、紙の本は本屋では手に入れづらいので、著者再編集版である、Kindle 版が良いでしょう。一部は連載時と順序が入れ替えられ、更に読みやすくなっています。定額読み放題サービスの、Kindle Unlimited の対象となっているので、利用されている人は無料で読むこともできます。本当は、こう言う作品こそ、本屋で長く置いて欲しいのですけどね。
 1話目だけの無料版がありますが、それよりは短編が4作収録された1巻を買うのが、180円と安くなっているのでお勧めです。区切りも良いので、少しでも気になった方は、まずは1巻だけ買っても、満足できるでしょう。


 ちなみに、アルセーヌ・ルパンのコミカライズとしては、以下のような作品があります。興味があれば、こちらもどうぞ。

「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン 八点鐘」 著者:JET 全2巻


「VSルパン」 著者:さいとう ちほ 全3巻


「ルパン・エチュード」 著者:岩崎陽子 既巻2巻